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2017年 12月 07日
それは暑い夏の、とある雑居ビルの一室でのこと。
もう死ぬほどテレアポをしていた時期がある。これぞ”THE営業”という強烈な職場で、朝から晩まで同業他社のお客さんに電話をかけまくり、そのうちの一握りのお客さんからアポイントを取って商品説明に伺う。そのまた一握りのお客さんから契約を頂き、他社からお客さんをかすめ取ることで成り立っている会社に所属していた。 なぜ大学を卒業してまでこんな仕事をしているのか・・・と思ったこともあるが、仕事に大も小もない。会社の扱う商品を売って代金を回収する。『仕事はそんなに生ぬるいもんじゃない!学生気分は捨てろ』と上司から言われ、営業の鉄則はどれだけ客先を回るかだと叩き込まれて、朝から晩まで駆けずり回っていた。ただし、自分の会社の商品に共感できるものは一つもなかったので、売り手としてはかなり曖昧な立ち位置。もちろんそんな精神状態だったから成績が上がるわけも無く、常にどん底を突っ走っている感じだった。 8月のお盆前だったか。その夏は全く雨が降らず、毎日の暑さで体がおかしくなりそうな日々が続いていた。毎日電話に噛り付いてダイヤルをプッシュ。成績が芳しくなかったオレは、加えて”ローラー”と呼ばれる手法で手当たり次第に飛び込み営業も欠かすことは無かった。何度も断られた場所に足を運んでは足蹴にされるという経験は、今思い出してもゲロを吐きそうになる。やっぱり人間には適材適所というものは必ずあるし、要領というのがあって手当たり次第にやってもダメなものはダメ。でもただ一つ、オレが今でも誇れることは、しばらくしてこの会社をほぼクビ同然で排除されることになるのだが、退職して数年後に懇意にしてくれた先輩から『元気にしてるか?』と連絡が来た時に『いまだにお前宛に2ヶ月に1度ほどの頻度で新規のお客からの注文の電話がくる』と教えてくれた。職場はすでにオレの事なんて知らない連中ばかりで『atukimって誰っすか?』と先輩が聞かれると『会社を辞めていったヤリ手営業マンだ』と説明しているといった。全く泣ける話である。 もとい、テレアポで、とある警備会社の課長さんが話を聞いてくれることになり、『すぐに参ります!』と喜び勇んで先方の事務所に向かった。 その事務所は小さな雑居ビルの最上階で、最上階とはいっても5階までしかなかったが、10畳ほどの事務所の片隅に置いてある応接セットに案内されて座った。その課長に名刺を渡すも、『私、名刺切れてるんだよ』と言われた。今考えるとあの人が課長だったのかどうかも怪しいのだが。 オレは一通り商品の説明をする。難しい顔をした課長さんは『検討する』と言い、突然自分の趣味の話をし始めた。相手はお客さんだから、合いの手を入れながら聞いていた。その内容は『出会い系』でゲットしたメル友とのメール交換の話だった。課長さんは『目的は会うことじゃあないんだよ』と力説していたが、当時まだまだ若かったオレは心の中で『会ってヤッてなんぼだろ』とおもいながら聞いていた。それよりなにより、禿げあがってピカピカに光った頭を恥ずかしそうに撫でながら出会い系の話を初対面のオレにするなんて、なんと気持ちの悪いオッサンだろうか。 当時の出会い系サイトの中には、本当にメール交換相手を探すピュアなものも少なからず存在していたのは確かである。ただ、もう当時のオレは何とも言えない気持ちなのだった。だって課長さんが相手の女性(だと思われる)の事を話すニヤケ顔は、もう性欲の塊そのものだったからね。でもそれは叶わない夢であるのも、課長さん(だと思われる)は自覚している。相手の女性、それも24歳だそうだが、車で2時間ほどの場所に住んでいると聞いたところでお昼の時間になり、その会社をあとにした。もちろんその後、先方からの発注は無かった。 いつの時代でも、誰しも出会いに飢えている。それが純粋な友人を探すためでも、不純な動機でも、そこに欲望があるかぎり人は出会い、別れを繰り返すのである。友達の友達はみんな友達とはよく言ったもので、他人という垣根さえ無くしてしまえばどんな初対面の人とも懇意にできるはずなのだ。 ただ、今ならばカチョサンの仰られていたことがよくわかる。『目的は会うことじゃあないんだよ』と、遠くを見つめていた目は悲哀に満ち溢れていて今のオレの心境にピッタリである。オレはまだ禿げあがちゃいないが、心は肉食動物から草食動物へ、肉体は確実に衰えてジジイへまっしぐらである。 それはそうと、カチョサンと、その数か月後にピンサロの待合室で出くわすことになろうとは誰が予想しただろうか。お互いが『アッ!』というような顔で目を合わせるも、そこで挨拶を交わさない。そこにどんな背景があろうと、それが男の夜の社交場のルールである。ただ言えるのは、カチョサンの肉体はまだまだ女を求めていたということである。熱い男である。
by atukim
| 2017-12-07 22:30
| ホントに普通
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