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2013年 07月 23日
高校2年の夏になると、オレはテニス部の部長として部員をまとめる立場になった。いや、まとめるとは名ばかりで顧問の先生と部員との連絡役。幽霊顧問の英語教師安川のところに週1回顔を出し、部の状況報告と必要な道具類を先生に発注してもらう段取りをすることだけが仕事だった。テニス部は男子と女子が別れて練習をしていたけど、テニス部という一つのくくりで活動していたので部長は男子から一人、副部長で女子から一人出るのが慣習となっていた。
面倒なことをみんなから押し付けられた形で部長になってウンザリしてはいたが、副部長のアズミと仲良くなったことは収穫だった。アズミはテニス部の中でも、いや高校の同じ学年の中で見ても男子から人気のあるかわいい女の子で、アズミのことが好きだという男はオレが知っているだけでも10人近くはいた。部長になるまでは部活をしていても話す機会は全くなかった。クラスも違うし、授業で一緒になることもなかったからね。 とはいえアズミはとても気さくな人柄で、一度面識ができてしまえば誰とでもニコニコと話す人だった。だからこそ男子から人気があったわけで、部長になってからアズミと部活について日々話すようになって、なぜだかオレの周りの友人がアズミと話している中に割り込んできて『オレ、atukimの友達で○○っていうんだ、よろしく』なんて繋がりを求めるヤツが続出。おのずとそこに友達の輪ができて、部活以外でもアズミとの接点が多くなった。 代々テニス部の男子と女子はあまり関係性が良くない。それは隣同士のコートで練習していると、各々のテニスボールが混ざってしまい、男子のほうが球が多くなったり女子のほうが多くなったりするという小さないざこざが起こるからだ。本来なら練習後に球の交換をすればいいのだが、男女ともに自腹でボールを買っているということもあり、男子はボールにマジックで黒い線を入れ、女子は赤い線を入れるなんてこともした。赤い線のボールがカゴに入っていると、赤い線の上から黒い線をマジックで書き重ねるという器の小さい事をしているヤツもいた。そんないざこざが嫌で、アズミと『球は練習後に共有しあおう』というルールも作った。もちろんボールに色をつけることも無しにして、小さないがみ合いをなくして男女間の関係性を良好に保つため練習後に世間話をする機会も作った。一つの部活として一体感を持つことで、大会ではお互いを応援するようにもなったし今まででは考えられなかった男女混合の練習をするまでになった。 こうなると部長として何か成し遂げた達成感みたいなものがあったし、何よりアズミとの距離がグッと縮まったのはすごく嬉しかった。この時点でオレがアズミに恋をしていたのは紛れもない事実。しかし『部長-副部長』という関係で繋がっているもどかしい気持ちもあった。何度も告白しようと思ったが、部活の状況を考えたらそれはできなかった。告白してもし振られたとしたら、オレ自身もそしてアズミも今のままではいられなくなる。気まずくなるのだけは避けたかったし、何より毎日アズミと話ができる今の状況に満足している自分がいた。 しかしそれが残酷な状況へ進展していくとは考えてもいなかった。 夏の大会が終わって蝉の鳴き声も少なくなり、授業のあとにラケットを振っても汗ばまなくなってきた頃、アズミに彼氏ができた。同じ学年の宮下というサッカー部のイケメンで、女子からもすごく人気があるヤツだった。しかし少なくともオレは宮下に関しては良い噂は聞いたことがなかった。宮下は、人気がある女子に告白しては、片っ端から食い散らかしている(エロイ意味で)という、どうしようもない男らしかった。そして飽きたら次のターゲットへと渡り歩き、その過去の体験談を自らの周りにいる友人に自慢しているという。 アズミは宮下と付き合うようになると、休むことなく毎日出ていた部活に顔を出さなくなった。この時期になるともうアズミとオレが話さなくても、男女のいざこざは無くテニス部はうまく回っていたので大勢に影響は無かった。そう、影響がないだけにアズミが部活を休めば休むほど、彼女の居場所は無くなっていった。でもそれはオレが心配するようなことではなく、彼女が望んで選んだ道だったんだから今更どうすることもできない。それ以前にオレにはアズミに何を言う権利もないのだから。 まあアズミに告白することなく、手に入れることも手放すことも許されなくなったオレは、何か大きなモノを失ってしまった喪失感に襲われたのは言うまでもない。この『喪失感』は今でもトラウマみたいに頭の中にあって、何もせずに失うのだったら行動して失敗したほうがいいという風に考えるようになった原因でもある。 1ヶ月経ったある日、アズミは突然部活に顔を出した。浮かない顔をしているその表情から、何があったのかは想像に難くない。 女子の人間関係ってのは本当にドロドロしている。今まで女子テニス部を引っ張ってきたアズミが、突然誰にも言わずに部活を1ヶ月間もサボったのだ。もちろん女子部員はアズミが宮下と仲良さそうに帰る姿を見ているし、付き合っていた事実を知っている。それをよく思ってはいないのはアズミに対する態度から明白で、それでも以前と同じように自分の居場所を求めて明るく振舞っているアズミの姿はすごく可哀想だった。 その日の部活終了後、アズミを呼び止めて宮下との一部始終を聞いた。アズミは目に涙を溜めながら話す内容は、耳を覆いたくなるようなことばかり。そしてアズミが一番気にしている事は、宮下が有ること無いこと言いふらすのではないだろうかということだった。 ここでアズミに優しくすれば、火事場泥棒のようにアズミと付き合えるかもしれない・・・と思ったけどそれは違うような気がしたので、オレは『終わったことは忘れてテニス部の女子の信用をもう一度取り戻すようにがんばれ』と励まし『オレはアズミのことを軽蔑するようなことはないし、今までどおり話してくれたらいい』ことを伝えた。そして『宮下の事は任せてくれていいよ』とアズミに言った。 翌日、案の定宮下はアズミとのことを周りの友人達とニヤニヤ話しているようだった。一日の授業が終わり部室に行く前に、帰宅部の宮下が一人で高校の校門を出ようとするところを呼び止める。 『宮下君だよね』 『そうだけど。君のこと知ってるよ、B組のatukim君だよね』 『宮下君さ、付き合った人との事、周りに言い触らすのやめない?趣味悪いよ』 『あぁ・・・アズミのことか。atukim君、テニス部でアズミと一緒だったよね。アズミから話は色々と聞いてるよ(ニヤニヤ』 『じゃあそういうことだから。アズミだけじゃなくて、付き合った女のことを言い触らしてるって次に聞いたらマジ許さないから』 『はあ!?お前何様だよ』 『何様でもねえよ。前からお前のこと気に入らなかったんだよね。やるならやろうぜ』 カッコいいことを言いながら、近くの公園でタイマンしてボコボコにやられた。いや、実際には宮下も同じくらいボコボコにしてやった(と思いたい)。本来ならここで宮下と和解、男同士の友情が芽生える・・・なんて展開になりそうだけど、そんなことは全く無かった。もう顔も服もボロボロだったので、その日は部活を休んで家に帰った。 次の日、顔を腫らせたオレと宮下に何があったのか学校内で噂になったけど、午後にはそんな話はどこかにいってしまった。高校生の噂なんてそんなもんだ。その日は部活に出たんだけど、テニス部の男達は『atukim、その顔、何があったんだ?』としつこく聞いてきた。もちろん彼らにも察しは付いてただろうから『俺らもやるならやるぜ!』と変な気合が入っていたので『もう大丈夫だから』と言っておいた。大ごとになって停学だの退学だのなんて話になったらたまらない。 部活が終わり、周りの部員が全員居なくなった頃にアズミが近づいてきた。 『その傷って・・・』 『ああこれね。アズミが気にする事じゃないよ』 『でも、宮下君とケンカしたんでしょ』 『あぁ、まあね』 『私のために・・・』 『アズミのこともあったけど、それより前からアイツのこと好きじゃなかったんだよね』 『でも・・・』 『もういいって。部室戻りなよ』 『atukim、本当にありがとね』 それからアズミと良い仲になり、付き合うことに・・・なんてことはありませんでしたwでもその代わりに、何年も経った今でもアズミとは電話で話したり、忙しい仕事の合間で時間が合った時にはお酒を飲んだりしています。 そんな飲んでいる最中にオレが『あの宮下とのケンカの後、告白したら付き合ってくれた?』と冗談っぽく聞くと、アズミは『だねw間違いなく^^』とケラケラと笑いながら言った。それと『あんなに熱い思いを感じたのは、あの時以来一度もないよ』とのこと。これって、セクロス行けるんじゃね?と何度思ったかwまあチキンなオレは、そんなこと言い出せるわけもない。でもアズミのことが好きだという気持ちはあの時と変わっていない。まあアズミとは未だにキスすらしていないのは言うまでも無いが。 宮下とのケンカのあとの後日談。 女をコロコロと替える宮下の悪癖は相変わらず変わらなかったが、付き合って別れた女の噂を面白がって話すことは無くなったようだった。それだけはオレの功績だったかな。 ふい~チンコチンコ。 今日は久々に長くなりましたが、妄想もここまでコジらせるとかなり病的ですね。ご静聴ありがとうございました。
by atukim
| 2013-07-23 19:09
| 変な日常
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Comments(2)
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