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2013年 11月 22日
『雪が降ればいいな』と君はいう。
『でも雪が降ったら手を繋いで歩けないよ』と僕は おどけてみせる。 ずっと同じ方向を向いて歩いていたいと思っていた。 それは永遠に続く幸せな関係だと。真剣だった。 短大を卒業したK子は、僕よりも先に社会に踏み出した。 僕は大学に通いながらバイトをする生活。K子はそんな 僕に合わせるために就職もせずに自分が生活に困らないだけの お金をバイトで稼ぐために、バーテンダーとして働いていた。 150センチあるかないかの彼女がバーテンダーをしているなんて ちょっと想像もできなかったけど、夜の世界で働く彼女の姿を 見てしまうと嫉妬してしまいそうだから、彼女の職場には一度も 顔を出したことがなかった。 『今年の初雪が降ったら手袋、交換しようか』 『なんでさ?それにK子の手袋を僕ができるわけないじゃん』 『いいの、それでもいいの』 人を真剣に信じるということ。 真剣に自分のことを信じてくれる人がいるということ。 それが『恋愛』、もっと言うと『初恋』なんだと思う。 後にも先にも、心の底から真剣に人と向き合ったと言えるのは K子だけだと今でも思う。相手より先んじる知恵や駆け引き、 利害や打算なんて皆無だった。 真剣だっただけに、勉強もせずK子との時間を優先した。 『もし私が別れてくれって言ったらどうする?』 『君はそんなこと絶対言わないよ』 掛け違えたボタンのように、違和感を感じた時にはもう、 どうしようもないのが男女関係ってもんだ。それも今なら理解 できるけど、真剣であればあるほどそこには深い闇が存在する。 信じているけど不穏な空気を感じる。 『私、バイトやめて就職しようと思うの』 『・・・。そうだね、そのほうが将来の自分のためにも良いよ』 僕だけの都合の良い女でいるのは、彼女のためにもならない。 でも僕が大学を卒業して働くようになったら、それなりのことも 漠然とだけど考えている。 でも今のK子には社会経験が必要だ。 真剣に働く彼女はどんどん魅力的な女性になる。 逆に僕は冴えない大学生。真剣に将来のことも考えられない。 唯一考えることといえば、社会人のK子との歩幅をどうやって 合わせようかということばかり。 将来への意識の差が、気持ちの距離感を狂わせたのか。 『私、仕事、真剣にやってみたいの』 『ああ、がんばってやってみなよ』 『もうあなたとの時間は取れなくなると思うの』 『仕事をしていたっていつでも会えるじゃないか』 『きっとあなたには私よりももっと良い女性がいるはずよ』 『何言ってるんだよ。僕にピッタリなのはK子しかいないよ』 『でも私にはピッタリじゃないの』 喉の奥のほうで呼吸が止まる。 それからK子と何を話したか、どうやって家に帰ってきたのか、 よく思い出せない。 それがK子と最後の別れ。 真剣に人を信じて全てを捧げたのは初めてだったけど、一方的に 振られて真っ暗な底無し沼に叩き落されたのもそれが初めての 経験だった。 人間不信になったのは言うまでもない。 何日も部屋に閉じこもって、K子を責め、そして自分の無力さを 責め続けた。人生が終ってしまったようなそんな絶望感。 泣いた。気持ち悪くなって吐くほど泣いた。 数日後、そんな闇から救い出してくれたのは友達だった。 学校も休んだままで、携帯にも出ない僕を不振に思ったらしく 家の玄関で鳴り止まないピンポン連打。腑抜けになっていた僕は 家のドアを無造作に開けると、突然部屋に友人たちが雪崩れ込んで きた。そして汚いジャージ姿のまま拉致された。 食欲なんてないのに食べ放題の焼肉。 僕を気にする様子も無く、終始いつもどおり何気ない会話。 僕には何も聞かず、ただ相槌を求めてくるだけ。 あぁ・・・という僕に『そうだよな!お前もそう思うだろ』と ただただ語りかけてくれる友人たち。 『ちょっとウンコ』と席を立ち、トイレで泣いた。 僕はその時、気がついたんだ。 K子以外、何も失ってなんかいなかった。 それから2年経ち、僕も大学を卒業することになった。 卒業式を終え友人たちと別れる時、僕を救ってくれた友人の一人が こんなことを僕に言った。 『これ、言わないでくれってK子ちゃんに言われてたんだけどさ。 今のお前を見ていると心配だから伝えとくわ。 K子ちゃんと別れた時さ、K子ちゃんお前のこと心配してさ、 俺に電話かけてきたんだよ。お前の家に行ってくれって。 私の代わりにお前のこと頼むって』 『あなたは私と結婚して、小さくまとまるような人間じゃない』 彼女は真剣に、涙をこらえたような声でそう言ったんだという。 K子は何かを手に入れるために、僕を捨てたとずっと思っていた。 人はそうやって生きていくものだと、擦れた考えに傾倒していた。 でもそれは違っていた。 K子は僕が目指す道を踏み外さないように、自ら身を引いていたんだ。 僕は他人の目もはばからず、その場で大きな声で泣いた。 最近寒くなってきました。 みなさん風邪なんぞ引いてませんか? というわけで、少し熱くなれましたか? ちょっとした妄想文章でした。 まあ全てが妄想ってわけでもないけどなw 平成22年12月23日 掲載 平成25年11月22日 再掲載
by atukim
| 2013-11-22 14:00
| 日本性交研究所 童貞課
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Comments(12)
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Willway_ER at 2010-12-23 12:38
ぐっときました。
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acky
at 2010-12-23 15:28
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atukim at 2010-12-23 16:34
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atukim at 2010-12-23 16:42
>アッキー殿
今日は出勤日なんですw 懐かしい感じは狙い通りですよ。 アッキーの思い出、たまには思い出してもいいじゃない! なんてのは冗談で、ケーキは・・・・・。 まあショートケーキが良いところかな(泣
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ちびまま
at 2010-12-23 20:45
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兄さんの文章はどんな文章も暖かく響いて来てますよ。
事実でも事実でなくても、私は文才ないからついつい魅かれちまって足を運んでしまっています。
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at 2010-12-24 09:54
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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atukim at 2010-12-28 18:25
>ちびまま殿
いつもありがとうございます。 色々と工夫して書いてみますが、結局自分の色は出てしまうもので 褒められると嬉しかったり嬉しかったり嬉しかったりw 亀のような更新ですが見捨てないでチョw
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atukim at 2010-12-28 18:29
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at 2013-12-12 00:23
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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atukim at 2013-12-12 09:33
>鍵殿
いやーお久しぶりですね。 自ら書いた文章なのに、読み返したらすごく新鮮だったので再掲載してしまいました。 必要なのは今までがどうだったということではなくて、これからどうやって進んでくかってことなんだと思うのです。自分にとっての相手の存在意義と、相手にとっての自分の存在意義、結婚とは何なのか?単純だけどすごく難しいことなんですよね。 最終的に選択するのは自分。それを他人に委ねなければ、幸せになろうが不幸になろうが、10年後20年後には納得して受け入れられると思うんです。人生ってギャンブルみたいですよね。
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at 2013-12-12 23:41
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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atukim at 2013-12-16 09:28
>鍵殿
きっとこれからも我慢の連続になるのは間違いないのでしょうけれど、自分で決めたことなら『後悔先に立たず』ってのは無いと思います。 オレが『やめとけ』とか『がんばって進んでみろ』と言ったところで、それはあまり意味がないことはわかっています。本来であればもっと『普通の』幸せがあるんじゃないかとか、一人でいれば苦しむことなんて無いじゃないか・・・とか、その場で足踏みしてしまうようなことはたくさんあります。でもそれに満足できないから今の自分がいるんじゃないでしょうかね。 幸せのカタチは人それぞれ違うものです。そしてその時その時、瞬間的に変わっていくものです。現在に至るまでゆっくりと進んできたのであれば、ここにきて急にいそぐ必要なんてありません。ゆっくりと決めればいいと思う。ただ、あまり難しく考えることなく直感を信じて行動するが吉ですよ。
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